東海商工会議所主催「今日から始める現場目線の生成AI/DX推進セミナー 第1回 超・業務効率化ハンズオン:会議議事録・マニュアルを高速作成の報告について

2026年8月19日(水)11時57分

 
 
【開催レポート】超・業務効率化ハンズオン:会議議事録・マニュアルを高速作成を開催しました。
2026年7月29日、東海商工会議所にて、全3回の連続セミナー「今日から始める現場目線の生成AI/DX推進セミナー」の第1回が幕を開けました。
1. はじめ
「AIという言葉は聞くけれど、自社の業務にどう繋がるのか?」そんな切実な想いを抱えた地元の経営者の皆さまが、続々と会場に集まりました。
驚くべきは、その関心の高さです。当初の定員30名を大幅に上回る32名もの申し込みがあり、会場内は開始前から「何かを持ち帰ろう」という熱気で溢れかえっていました。机を身を乗り出して資料を読み込む姿、講師に熱心に質問を投げかける姿――その光景は、まさに地域企業が新しい一歩を踏み出そうとするエネルギーに満ちていました。
「難しそう」という不安を「これならできる!」というワクワク感に変えた、講師陣の情熱溢れるトークを振り返ります。
 

 
2. 第1部:経営者に必要なのは「操作」ではなく「好奇心」と「判断」
第1部の講師は、地元・東海町でこんにゃくメーカーを営む加藤 三基男氏(サン食品株式会社)です。「こんにゃく屋の親父でもここまでできる」という等身大の語りに、参加者の皆さまは一気に引き込まれました。
実は加藤氏、1990年代のインターネット革命の際、「中小企業には関係ない」と斜めに見ていて乗り遅れてしまったという苦い経験をお持ちです。「あの時と同じ失敗はしたくない」――その想いでAIに向き合った加藤氏が辿り着いた結論は、非常にシンプルなものでした。
「経営者は操作を覚える必要はありません。必要なのは、新しい技術への好奇心と、社内に導入するためのルール作り、そして決断だけです」
AIを導入する目的は、人を減らすことではありません。加藤氏は、スライドに映し出された「価値の低い時間(同じ説明の繰り返しや議事録作成)」を削り、「価値の高い時間(顧客と向き合う、改善を考える、経営者がしっかり休む)」を生み出すことこそが本質だと強調しました。
会場からは、加藤氏が紹介する劇的な成功事例に、驚きと感心の溜め息が漏れました。
 
事例①:英語不要のPR動画(コストゼロで世界へ) 自社の理念を語る動画をAIで多言語化し、海外の友人に送信。費用を一切かけず作成したPR動画がきっかけで、わずか1週間で47件の問い合わせが届き、見ず知らずの海外顧客2社との成約に繋がりました。
事例②:新商品開発の劇的な短縮(12分を3分へ) カップ麺タイプの新商品開発で、湯戻し時間が12分から縮まらず難航。AIと「壁打ち」を繰り返した際、AIから**「麺の太さを1.3倍細くすれば、表面積の関係で戻り時間は1.5倍以上早くなる」という意外なほど本質的なアドバイス**を受けました。その結果、湯戻し時間はわずか3分へと短縮されたのです。
加藤氏は「会社に戻ったらまず、資料(PDF)を社員に渡し、動画を見てもらい、小さな作業から試してほしい」と、即実践できる3ステップを提案しました。マインドが整ったところで、話は具体的な「仕組み」の作り方へと移ります。
 

 
3. 第2部:録音を「会社の資産」に変える。今日からできる会議の4大ルール
続いて登壇したのは、後藤 泰司氏(株式会社ハグリネット)です。後藤氏は、「録音データは単なる記録ではなく、いつでも検索可能な『会社の資産(データベース)』である」という目から鱗のコンセプトを提示しました。
AIを賢い秘書として働かせるためには、AIが聞き取りやすい「会議の土壌」を整えることが欠かせません。そこで提唱されたのが、失敗しないための「4大ルール」です。
 
AI時代の会議運営ルール

1. 冒頭で宣言:日時・場所・目的を議長が最初に読み上げ、AIに「今から何の話をするか」を教える。

2. 参加者を確認:全員の氏名を読み上げ、AIが誰の声を拾っているかを紐付けやすくする。

3. 指名して発言:同時発言(かぶり)を防ぎ、誰の言葉かを明確にする。

4. 省略せず話す:「あれ」「これ」を避け、主語・目的語・期限を言葉にする。

5. 足元チェック録音機器の電池やスマホの容量を確認したか?(地味ですが最も重要です!)

特に強調されたのが、「レジュメ(議題)」をAIに添えることの重要性です。レジュメという地図があることで、AIは話題の切り替わりを正確に理解し、「予定していた議題の抜け」にも気づけるようになります。
仕組みを知った参加者からは、「これなら会議の質そのものも上がる」と納得の声が上がっていました。次に、この手法を応用した「魔法のマニュアル作成術」へ進みます。
 

 
4. 実践:暗黙知を言葉に。2人1組で作る「魔法のマニュアル作成術」
ベテラン社員の頭の中にしかない熟練の技(暗黙知)をAIで宝に変える――。今回の目玉であるマニュアル作成の極意は、「作業者」と「聞き手(ファシリテーター)」の2人1組で行う手法です。
作業者が無意識に「ここをクリック」と言ってしまう場面で、聞き手が「画面右上の青い保存ボタンですね?」と問いかけます。この「問いかけ」が録音データに入ることで、AIは初心者が一人で再現できる完璧な手順書を生成してくれるのです。
 
議事録作成とマニュアル作成の違い
項目
議事録作成
マニュアル作成
録音の体制
会議の参加者全員
作業者+聞き手の2人1組が理想
主な素材
録音データ + レジュメ
録音データ + 現在の正しい手順
画像の扱い
不要な場合が多い
作業中にスマホ等で撮影し後入れ
AIへの注意
議題ごとの決定事項を整理
古い手順書を混ぜない(現在を優先)
 
「言葉にすること自体が業務の見直しになり、教育の属人化を防ぐ一歩になる」という解説に、多くの参加者が熱心にメモを取っていました。この具体的な手順を知った皆さまの表情は、どこか晴れやかで、自社での活用シーンを思い描いているようでした。
 

 
5. おわりに:ライバルに差をつけられる前に、一歩踏み出しませんか?
AIの成長スピードは、1年間で5.6倍に達すると言われています。これは、2年間立ち止まって悩んでいる間に、先に踏み出したライバルは25倍以上の圧倒的な差をつけて先へ行ってしまうことを意味します。
AIは、あなたの会社のベテランの技を宝に変え、大切な時間を取り戻してくれる「魔法の杖」かもしれません。難しく考える必要はありません。まずは会議1本、小さなマニュアル1つから、AIという強力な味方と一緒に歩み始めませんか?
 
 
次回予告
次回のセミナーでは、さらに一歩進んだ情報発信術を学びます。
  • 開催日:2026年9月8日(火)
  • テーマ:AIによる経営判断・リスク管理:就業規則と事業計画

    ・就業規則をAIでチェック⇒誰にも聞けなかったリスクを解消

    ・口下手な経営者の想いを説得力のある事業計画書やスピーチへ自動作成

 

「これなら自社でもできそう!」というワクワク感を、ぜひ次回の会場でも一緒に体感しましょう。皆さまの挑戦を、私たちは全力で応援しています!

 

 

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  • 主催: 東海商工会議所(伴走型小規模事業者支援推進事業)

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